11/15(水) 第71回 Beatles Session Meeting@千住を開催します

さて今月のBSM@千住、11月15日(水)開催です。恒例アルバムピックアップは”Help!”。

映画のサントラでもあるこのアルバムの発売は1965年6月、この年の11/15というと彼らはすでに次作”Rubber Soul”の録音を終えようとしているところで、例のごとく加速装置が付いてるのかと思うような仕事ぶり。
この二作の間はいろんな面で変化があった彼らです。

そういう視点で”Help!”を聴くときに目立つのはやはりビートではないかと。
8ビートですね。

遅くとも80年代半ばあたりで寿命となりいまや化石と化した8ビート、彼らがこのアルバムでやったアップテンポの8ビートはまさに先人を受けつぎつつ、次代つまりロックに向けて完成させたもののように泉には思えます。

ロックというのはそんなもんじゃなくて、非常に歴史があって、次代の変わり目のエッセンスをすくってきて、例えばスウィングからロックに変わる時期にスウィングの片鱗が残ってて、ロックでもベースの人はウッド・ベースでスウィングを弾いてたんですが、ドラムはシャッフルからよりタイトになってきて、縦割りに8ビートになってきていた。そういう「ずれ」こそロックだということがだんだんわかってくるわけです。一種のポリリズムですね。そうしないと本当のロックのビートが出ない。ただ単にみんなが同じビートで、2・4でビートを刻んでもただの8ビートでそれはロックじゃないんです。

細野晴臣のインタビュー『THE ENDLESS TALKING』の一節です。この指摘は非常に納得できるものですが、泉なりに敷衍すると、ドラムが縦気味ベースはスウィングという「ずれ」方は確かに50年代の元祖Rock’n’Rollにはよくあてはまります。この場合でもドラムは完全に縦にはならずに、ハネを残しているわけですが、それに対して今度はベースが先に縦気味を強めていってむしろ縦の塩梅が逆転してはじめてRock’n’Rollでなくて「ロック」な8ビートになると感じています。

これこそBeatlesの8ビート。そして、デビュー盤以来そのビートを磨いていって、”Help!”のアップテンポの8ビートはまさに完成形かと。そして、このアルバム以降こういう明確なアップテンポの8ビートの曲がなくなるというのも、なんか急ぎ足な彼ららしいというか。

この8ビートの解釈はしかしアメリカのロックにはあてはまらないとは思います、というか、泉的にはアメリカのああいう音楽を「ロック」と呼ぶのは昔から非常に抵抗がありました。最近は「アメリカーナ」という便利な用語ができたようで大分落ち着きました。さらにいえばこういう面から聴くと、Beatlesと同様Stonesもかなり凄いと思うのですが、それはさておき。

“Help!”、”Another Girl”あたりがその結果でしょうか。逆に”The Night Before”ではドラムとベースのハネ方が逆転してたりするし、”Ticket To Ride”ではアップテンポではないものの、よりヘビーな「ずれ」のあるロックになっているし、1曲1曲実に興味深く聴けます。

というわけで、毎月、BSM@千住では、かくの如くピックアップアルバムを決めてはいますが、別にその日はそのアルバムの曲しかできないということではありません。Beatles縛りはありますが、どのアルバムからでもやりたい曲をリクエストしていただいて構いませんので、そこはあまり構えずおこしくださいませ。

では、北千住KNOCKでのBeatles Session Meeting第三金曜日開催、今月は11/15(水)となります。よろしくお願いいたします。

林泉presents Beatles Session Meeting@千住 開催要項
場所 北千住KNOCK (お店のページ)
開催日 2017年11月15日(水)
時間 オープン 19:00
スタート 随時(20:00頃)
その他 ギター(エレキ、アコースティック)、エレキベースの貸し出し可能です。
Beatlesナンバーを演奏するための簡単なメモを用意します。
かなりの曲数のメモがありますが、ないものもありますので、必ずこの曲をやりたい等のご希望ある場合は、
コード、歌詞カード、譜面などのメモを御用意いただけるとありがたいです。

ピックアップアルバム”Rubber Soul”の曲目はこんな感じ。

1. Help! 8. Act Naturally
2. The Night Before 9. It’s Only Love
3. You’ve Got to Hide Your Love Away 10. You Like Me Too Much
4. I Need You 11. Tell Me What You See
5. Another Girl 12. I’ve Just Seen a Face
6. You’re Going to Lose That Girl 13. Yesterday
7. Ticket to Ride 14. Dizzy Miss Lizzy

それでは水曜日に。