曲のコト – “My Jamaican Guy” Grace Jones

泉が日常的にReggaeを聴くようになったのは意外に遅くてそろそろ昭和も終ろうかというころだったと思う。

だけどReggae、というか、Ska/Rock SteadyからReggaeに至るJamaicaの音楽の特異な創造性、バイタリティが現われてるところの他の音楽に対しての強く激しい影響力に震撼するという経験は、それこそ洋楽を聴き始めた頃から折々してた。

例えば、Stonesの”Black & Blue”に入ってる”Cherry O’ Beby”。Stonesといえば野生動物の魅力だけどそれにしてもちょっと人間離れしてないか?と吃驚したその曲は、Eric DonaldsonというReggaeのヒトの曲をさらにStones流にパワーアップしたものだったし、Johnの”Mind Games”の不思議なバッキングのギターとか、Steely Danの”Haitian Divorce”とか、ことReggaeだけでもいろいろあった。SkaやRock Steadyを含めたらもう枚挙に暇なし。Claptonの”I Shot the Sherif”やEaglesの”Hotel California”は解釈や演奏が拙くて苦笑いが出ちゃうけど、それでもReggaeだとわからせるような特徴は残ってて、逆にReggaeが持ってる音楽的なバイタリティーは強く感じることはできるかも。ちゃんと取り入れることができなくても、なんかそれまでその人がやってた事とは違うぞ?というような異化をもたらすことができるようなフォーマットであり得たのだろう。

もちろんちゃんとできれば前述のStonesみたいに、聴いてる方にも「なんだこりゃ!?」という消えない傷をつけることができて、この”My Jamaican Guy”も泉にとっては「なんかこの世にはとんでもない音楽があるらしいな…」というインパクトを残すに十分だった由。

Grace Jonesはもともと女優、モデルであったのが音楽もやる、でその音楽は基本最先端という感じで、まあディレッタントという印象であったのだが、実はJamaica生まれということでJamaicaの音楽にも縁はありすぎるほどあり、ということらしい。

この曲が入ってるアルバム”Living My Life”はProduce/EngineeringがChris Blackwell/Alex Sadkin、バッキングはSly & Robbie、録音はCompass Point、という当時としたらまさに「そうですかReggaeですね」なパッケージであり、実際バックも素晴らしいのだけど、何よりのけぞったのはReggaeでよくある歌の合間に入るかけ声、「おぅ」とか「ぃよぅ」とかに類する声が入るのだけど、それが絶妙というか異様というか曰くいいがたい声だったこと。

しかしそれがまた気持ちよく、こりゃすげーや、ということに。

もっとも、この曲をSly & Robbieをバックにライブで唄ってる動画もあって、それを観ると意外に普通だなと感じるけども、ライブだし多少テンポも上がってるし、というところで。逆にバックはよりReggaeらしく(っていうかReggaeなんだけどw)仕上がってる。

それはともかく、こういう経験が積り積って昭和から平成に移る頃、他にも何人かのReggaeな人に参る経験を経て、やっぱりちゃんと聴こうJamaica、ということになったのでした。

今聴くと80年代風な録音に少し哀愁は感じるもののやっぱりインパクトある。同時に当時とは違って、もういまやReggaeの特徴みたいなところは、それこそ世界中の音楽に浸透してて、ある種の(一時期のFunkのように)グローバルフォーマットになってるとさえ云えるのではとの感も。

そういう、Reggaeのバイタリティについては、折々考えさせられる。今日は浸透力だったけど、逆の吸収力というのもまた凄いのだった。